今後の専門職としてのキャリアの在り方
ここ数年で療法士の働き方という視点へのスポットが非常に色濃くなってきたように感じます。
デイサービスの立ち上げだ!
訪看やるぞ!
自費リハだ!
複業だ!
ベンチャーだ!
こういったものが多いのかなといった印象です。個人的には全部素敵だなと思います。自分の情熱を捧げたい明確なミッションがある人は何やってもいいんじゃないかなと思っています。あ、他者を貶める在り方や、患者さん利用者さんに不利益がある仕組みは勿論ダメですよ。あくまでも患者貢献できるサービスの範囲内です。
自分がやりたいと思える指針がハッキリしている人は、自らの進むべき航路がみえています。あとはそこに向かって進むだけ。ただ、みんながみんなそうじゃないです。今回はサラリーマンとしての療法士の強み弱みに関して書いていきたいと思います!
- サラリーマンのメリット
- (中の下の水準で)収入が安定している
- (会社によるが)企業としての体力がある
- (会社によるが)休暇が多い
- サラリーマンのデメリット
- 財源は社会保障費であるため、限りがある≒儲からない
- 役職の枠に限りがあるため給与の頭打ちがある
- (場所によっては)自分のやりたいことを実践できない
ざっくり挙げてみました。順番に解説していきたいと思います。
メリット1:(中の下の水準で)収入が安定してる
これに関してはセラピストとしてお勤めの方は既に実感されている部分かと思います。医療介護という業態はこの先も無くなることはありません。自分よりの上の世代がいる限りはずーっと必要とされる仕事です。今現在の日本の平均年収は441万円です。
そして理学療法士の平均年収は406万円で、なんと全国平均を下回るんですね。
理学療法士(PT)の年収・給料と将来性について|マイナビコメディカル
絶対に無くならない領域であると同時に、この現実的な数値から考えると、サラリーマンとしてのセラピストは中の下の水準で安定していると言って良いでしょう。
しかしそれも今だけかもしれません。セラピスト業界に限った話ではないですが、今後は収入に関して二極化がすすむという流れが起こってくるでしょう。その辺の根拠となるお話はまた後日書いてみたいと思いますが、単純に「人口減少・社会保障費の増加・療法士数増加」のワードだけ見ても雇用機会が減ることは予見できますよね。今後サラリーマンを継続するつもりなら、治療家としてのマインドや組織に貢献できる働き方など、常に考える必要があるといえます。
メリット2:(会社によるが)企業としての体力がある
所属している会社の規模にもよるのですが、新しいことにチャレンジしやすい環境であるということが言えます。個人で融資を受けてサービス提供体制を整えた場合、採算が取れずに破綻すると再出発にとても大きな時間とお金を必要としますが、運営母体が安定していれば、多少の失敗はリカバリーできるのです。その体力が会社にはあります。つまり、自分の実現したいことが会社の理念にマッチしていれば、プレゼン次第で自分が実現したいサービスを始めることが出来るんですね。これがサラリーマンの非常にポジティブな部分だと思います。自分が実現したいこと=会社の理念、の関係式が成り立つ組織に就職することができれば、自分の私財を投げ出さなくても自分の理想を体現する場を手に入れることが出来る可能性があるので、そういった想いがある人は転職活動していくと良いと思います。
メリット3:(会社によるが)休暇が多い
個人で行動する場合、自分の行動がそのまま成果に直結します。その点会社に所属していれば休日は保証されます。権利ですしね。家族との時間を大切にしたい人や、自分の趣味を大切にしたい人などにとっては非常に大切で重要なポイントかなと思います。
デメリット1:財源は社会保障費であるため、限りがある≒儲からない
言わずと知れた問題です。社会保障費をもとに診療報酬や介護報酬が決定されることを考えれば、その傘の下で給与を得ている我々サラリーマンの給与がそう簡単に大きくなるはずがありません。大きくなったら国が潰れます。財源が決まっている以上、極端に大きく収入を増やせるわけではないというわけですね。
デメリット2:役職の枠に限りがあるため給与の頭打ちがある
これも組織運営を考えれば当然と言えば当然なんですが、役職のポストには限りがあるので、空かない限りは着けないのは当然ですよね。基本給が劇的に伸びる地方公務員の方でもない限り、手当がつかなければ給料は頭打ちになります。
デメリット3:(場所によっては)自分のやりたいことを実践できない
メリット2で挙げた内容と重複しますが、自分がやりたいことが企業理念にそぐわない内容であった場合は、実現は非常に困難であるということが挙げられます。組織としての方向性と自己の方向性をマッチングさせることが必要です。
これらの内容を踏まえ、個人的な見解は
”出世✖️複業が最強である”
になります。
この先、2004年から始まっている人口の減少が劇的に改善される見通しは今のところ立っていません。
養成校の乱立により、理学療法士で1万人以上、作業療法士で6千人以上が年間に輩出されています。
明らかな供給過多の流れがみられます。
つまり、ぼんやり臨床は問題外ですが、患者さんのこと想って勉強熱心なだけでもダメ(想うことも勉強することも大切です。が、盲目的なものはダメという意味です)ということです。
大切なことは、価値を創出する、成果に対する単価を意識する、マネージメントで成果を上げる、になります。
患者さんからみた価値の高さも大切ですが、会社から見て価値が高い人の対価しか上がりません。少なくとも今の保険診療の仕組みではそうなっています。
実現したいを実現していくためには、組織内での立場を高めることも大切です。
それでも家族のためにも稼ぎは必要ですよね。だからこその複業です。
副業解禁は最近のトレンドになりつつあり、医療業界でもOKのところが多くなってきたように感じています。
副業こそ専門性が活きます。自分の突き詰めた得意を必用としている人に提供する仕組み化を図っていけると良いですね。
最後、大切なところが若干さらっとしてしまった感があるのでまた今後加筆していきたいと思います。
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自分の生き方と見つめ合う時間を是非!
最後まで読んでくださってありがとうございました!
では!