mercy's blog

愛知県でリハビリテーションに従事する者として日々考えることをまとめています。

療養・就労両立支援指導料に疾患が追加

今回の改定で新たに気になっていたことがあります。

 

これまで私が所属している病院では関与する部分がなかった領域なのですが、今回の改定で関わる部分が少し出てきそうだなーと感じている部分です。実際に経営陣からこの部分のお話が出てくるかはわかりませんが、私見を踏まえて考えてみたいと思います。あと、私個人の想い的なものもまとめてみたいと思います。では、参ります!

 

  • がん患者リハビリテーション料について
  • 特定薬剤管理指導加算から想い描くこと
  • 療養・就労両立支援指導料について

 

私は現在、回復期病院の外来と通所リハビリにて従事させていただいているのですが、以前は回復期病棟、療養病棟と過去複数の病期で臨床経験を積ませていただきました。回復期病棟では入院対象疾患がある程度決まっているので、その分野で集中的に経験を積むといった点では非常にメリットを感じています。逆に療養病棟では、回復期病棟では多くは出会わない患者さんとの臨床経験が非常に大きな財産になっていると感じます。また、外来兼務をさせていただいていたりしたので、そんな中でがん患者さんのリハビリをさせていただくこともありました。その中で感じていたことがあります。

 

”がん患者リハビリテーション料は、何故がん治療のために入院している患者さんでしか算定できないのか”

 

療養病棟に勤務していた際、化学療法で複数回(6回程度だったと思います)の治療クールがある患者さんが、化学療法後に入院してみえたのですが、その度に廃用要素が強まり、緩やかに能力低下、認知機能低下していったのをよく覚えています。外来でみえていた方の中でも、化学療法の間の廃用進行によりADLへの介入を必要とするレベルまで落ちていってしまう方がいたりします。同一疾患なので、その都度その都度疾患名を切り替えるわけにもいかず、13単位で対応することがほとんどです。外来だと廃用症候群も病名としてつけられませんので、ケアが十分に提供できているとは思えない事態も何度かありました。

 

今回の改定では、対象者の書き方の変更こそあったものの、依然としてがんリハ算定は入院対応ができる病院に限られているのは変わりありませんでした。必要な人に必要なリハビリが提供できるようになって欲しい。と想ったりしています。

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見直し内容

 

 

  • 【特定薬剤管理指導加算から想い描くこと】

「必要な人に必要なリハビリを」という想いからの続きになるのですが、今回の改定では一切触れられもしなかった個人的想いが、薬剤の方で新設されることとなりました。それが特定薬剤管理指導加算です。ここにある「薬局」を「かかりつけ医」、そして「服薬指導」を「運動指導」に置き換えてもらえると、「あー、mercyはこういうことを想い描いているのね」と理解してもらいやすいかと思います。医療でも介護でも、こういった地域包括ケアを実践していけることを期待しています。

現在、がん治療も通院治療へとシフトしつつある状況にありますので、リハビリの視点でもこの部分の対応ができるようになると良いなと感じている次第です。

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特定薬剤管理指導加算

 

 

  • 【療養・就労両立支援指導料について】

さて、今回の本題に参ります。

療養・就労支援指導料はH30年度の診療報酬改定で新設されたもので、政府による健康寿命を延伸する社会構造を実現するため、治療と仕事が両立できる環境を診療報酬でも評価する、といった趣旨のものです。政府としては、団塊世代が75歳以上となる2025年を見据えて社会保障の支えてを増やしたいという狙いが込められているんのでしょうね。

ただ、新設時の対象疾患が「がん」のみで、対象患者の勤務先の産業医が介入することでようやく算定できるものであるため、産業医の協力が得られなかったり、そもそも産業医がいないと算定できないといった要因があり、算定回数があまり伸びなかったため、という背景があるようです。

 

そんなこんなで今回は対象疾患に「脳血管疾患」「肝疾患」「指定難病」が追加となりました。また、産業医のみ出なく下図の管理者や保健師が追加となったことで緩和条件が緩和されることになりましたね。

対象疾患に脳血管が加わったということで、回復期病院でこれまで行われてきた復職支援などが正当に評価される御膳立てが整ったというわけですね!個人的にはそういった感覚で捉えています。もし違ったらご指導いただきたいです。

細かい算定要件などを今後読み込んだ上で異なることがあれば追記したいと思います。

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療養・就労両立支援指導料

 

今回はこれまで思い描いていたがん治療と、それに関わる支援に関して、自分の想いや考えをまとめさせていただきました。実はがんリハにも対応できる通所リハビリにしたいと思い、昨年初めに通所リハビリテーションの立ち上げを任せてもらい、管理者として自分が想い描く二次予防、三次予防を実現させていただくチャンスをいただいています。

 

今後も自分の想いと向き合い、地域のみなさんに還元できる施設運営をしていきたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

ではまた!